マイ樽熟成第1弾 Four Roses +125日
久しぶりの更新になります。
結構前からマイ樽に入れていたフォアローゼズを樽から出したので、その報告をします。
マイ樽熟成の 下準備の記事の最後にフォアローゼズを投入したことを報告していましたが、なんとそれから100日以上経過しているみたいです。
熟成開始日から 樽出し日まで、125日間をマイ樽熟成させたことになります。
ミニ樽での125日間は通常の何日間?
まずは、125日間というのが通常のバーボンバレル(180~200ℓ)と比べてどのくらい熟成速度が速いのかを考えてみます。
樽の大きさと熟成速度の違いを計算した過去記事を参考にします。
樽が小さくなると単位体積あたりの樽内面に接触する面積が大きくなるため、樽の影響がより大きくなります。
つまり、樽が小さければ小さいほど、熟成は早く進みます。
上の記事では2ℓのミニ樽を500ℓの樽と比較すると約6倍の速度になるという計算結果でした。
これを2ℓのミニ樽と通常バーボンに使用されるバレルの比較に置き換えてみると、下図のようになります。
180ℓのバレルの熟成速度を1としたとき、2ℓのミニ樽は約4.5程度になります。
以上から、ミニ樽での125日は125 * 4.5 = 562.5日間ということになります。
これを365日で割ってあげると、約1.5年間に相当します。
ミニ樽がいかに精神と時の部屋的なファンタジーかはご理解いただけたかと思います。が、気になるのはウイスキーがおいしくなったのか?でしょう。
ミニ樽熟成の前後で比較してみましょう。
フォアローゼズってそもそも味はどうなのよ
まずはミニ樽に入れていないフォアローゼズから。
香りはミントのようなアルコールの刺激、赤い花のフローラルさ、ドライフラワー。時間が経つと酸味がある柑橘の皮のような香り。
味は甘みの後にフローラルさが全開になり、わずかに樽由来のバニラとチョコレート。余韻はフレッシュなハーブの香りが抜けていく。
フローラルさが強いので苦手な方も多いようですが、とてもおいしいウイスキーだと思います。
これが1000円ちょっとで買えるのですからありがたいですね。
ミニ樽熟成したらどう変化したか?
せっかくの安くておいしいバーボン、フォアローゼズ イエローラベルをわざわざミニ樽に125日間もブチ込んだ結果どうなったか確認してみましょう。
色は上の写真にある通り、非常に濃い色になりました。
香りは湯煎で溶かしたチョコレートやバニラ、焦がした砂糖が前面に出て全くの別物に。
代わりに本来のフローラルさは後半にわずかに感じる程度になってしまいました。
香りだけでいうと別物ですが非常に濃厚なバーボンという感じです。
味は収斂味がメイン。湿った木材をしゃぶったような渋さとニスで仕上げた木製家具のようです。
ただし収斂味の向こう側には、原酒のニュアンスの甘さと花感が隠れている。
余韻はしつこい樽感もあるが薄くチョコレートも感じられます。
注いで時間が経てば、収斂味や渋さが和らいできて収斂味の向こう側にイキやすくなります。
収斂味の向こう側とは!?って感じですが、なんか我慢が必要だったのでこんな表現になりました。
結論は
まあ、当然ですが失敗です。
キリンの皆さんごめんなさいです。
出来上がったものは責任をもって飲みますが飲み終わるのはいつになるでしょうか。
しかし、記事には書いていませんが、途中で味見する度に感じる味の変化はとても楽しめましたし、樽の影響がこんなに大きいんだという学びにもなりました。
そして何より、市場で手に入るウイスキーって今回のバーボンに限らず、めちゃめちゃおいしいんだなってことを再認識できました。
これまで以上に作り手に敬意を払いながら飲むことができるようになれると思います。
以上マイ樽熟成第1弾でした。