CO2問題のセクシーな解決法
本記事は過去記事を一部編集しての再掲です。
ハイボール大好きおじさんです。家飲み派の皆さんこんにちは。
最初の一杯はハイボール!なんてくらい暖かい日が続きますね。
私は寒がりなのに季節問わずハイボールを飲みます。
冬なんて霜焼けの足をムズムズさせながら、凍えながらハイボールを啜ります。
ハイボールそれ自体は非常においしいのですが、じつはいつもキッチンには大量のペットボトルがあふれていまして、少し困っていました。
春を迎えるにあたって何とかこのペットボトル地獄から抜け出したかったので今日はこの炭酸水問題の解決にピッタリの、新生活が捗る逸品を紹介します。
皆さんは意外とご存じないかもしれませんが、ペットボトルというのは石油でできていて、したがってペットボトルの材料は石油ということになります。
石油を使って容器を作るというのはまったくセクシーではないので、私はこの問題をセクシーに解決したいと思います。
具体的には、可能な限りセクシーに解決します。
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まあ、具体的にはソーダストリームを買ったら神だった、って感じのお話です。
意外とご存じないかもしれませんが、ソーダストリームというのは、お家で簡単に炭酸水が作れちゃうって機械でして、したがってお家で炭酸水が作れちゃう訳です。
進次郎構文から抜け出せない・・・・タスケテ
どうやってお家で炭酸水を作るかというと、炭酸ガスが充填されている専用のガスシリンダーを使います。
これを機械にセット。
専用のボトルに水を入れてセット。
いざボタンを押して、ストリーーーーム!!!
ボタンを押す時間を調すれば炭酸の強さも思いのまま、自宅で炭酸水が作れちゃう!
これなら炭酸水買い忘れてハイボール飲めない!なんてことが無くなりますね。
こういうのってお高いんでしょう?
ノンノン。そう思っていた時期が私にもありました。
ここでサクッとコスト試算してみましょう。
いきなり答えです。
ソーダストリームやすぅい!
買わない理由は見つかりませんね。
この計算の条件はこちら
□共通
・毎日0.5ℓの炭酸水を消費する。
□セブンイレブン炭酸水
・138円/ℓの1リットルペットボトル(あの太っちょいやつ)を比較対象とする。
・Spirit(スピリット)スターターキットを購入。
・本体代金は2年間で償却すると仮定。
・ガスシリンダーは60ℓの交換用@2000円を使用。
・水の金額は無視する。
もう少し詳しく見ていきます。
2021年4月からソーダストリームを使い始めたと仮定します。
横軸が時間を示していて、2年間のグラフです。
オレンジの線のスタートが14,000円になっているのはスターターキットの値段です。
ガスシリンダー1本で炭酸水60ℓ作れるので、一日0.5ℓ消費すると、4カ月毎にガスシリンダーの購入金額が発生してグラフは階段状になっています。
一方青色の炭酸水は2日に一本、つまり月に15本をセブンイレブンで1リットルボトルを購入したと仮定しています。
出費は一定なのでグラフは一直線に増え続けています。
本体を購入する分があるのでソーダストリームのほうが初めは高くつくのですが、11月くらいには累計出費額はセブンイレブン炭酸水と逆転します。
ひとまず2年間分しか示していませんが、グラフから予想できると思いますが、期間が長くなるほど、ソーダストリームとペットボトル炭酸水の差は大きくなります。
つまり長く使えば、よりお得!
最高だぜ!!
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ついでに言うと、sodastreamのHPを見ると、ペットボトルを出さないのでエコだと主張されています。
レジ袋が有料化され、効果の是非が話題になりましたが、こっちのほうがよっぽど説得力ありますね。
でも、炭酸水の正体ってまんまCO2なので環境に悪いじゃないか!地球温暖化!
How dare you !! (よくもそんなことができるな! / Greta Thunberg)
アンテナが高い方はそう思われるかもしれません。
しかし、実はこの炭酸水を作るのに使用されているCO2は、石油精製の過程などで副産物として発生するCO2を用いているのが一般的です。
従って、本来ならそのまま大気に放出されるはずだったものを使っているので、私たちが炭酸水を作る行為そのものでCO2排出が増えるわけではないのです。
レジ袋、プラストロー、プラスプーンと来ました。
全部クソなので私は普通に有料購入していますが、次は本当に意味がある炭酸水のマイボトル化かもしれませんね。
その前にソーダストリームを導入して準備しておくべきかもしれませんね。
お家でペットボトルを出さずにハイボールを楽しむ、これは消費者側にもメリットがあるので、本当にクールでセクシーだと思います。
ただただお金を徴収するよりも、このソーダストリームのように持続可能な形の方がよっぽどスマートですしね。
マイ樽熟成第2弾→第3弾 Glenfarclas105 ~1年経過で入れ替えの報告
マイ樽にグレンファークラス105を入れて1年が経ちました。
キリがいいので一度すべて出してしまって、新たにグレンファークラス105を投入したので報告します。
今回はただの作業報告です。ウイスキーの変化についてのレビューはまた改めて。
おさらい
これまでのおさらいとしては過去記事を参照ください。
第0弾として、樽のアク抜きの様子の記事はこちら。
第1弾として、新樽だからバーボンでしょ!というトライアルの結果がこちら。
第2弾として、グレンファークラス105を投入して3カ月ほど経ったときの記事がこちら。
250日経過の報告がこちら。
樽から出してみる
今回の記事はこの第2弾の終了と第3弾への移行になります。
樽の中身を入れ替えるにあたり、まずは今入っているものを出さねばなりません。
こぼれてもいいようにキッチンのシンクで作業します。
私のマイ樽の容量は2リットルなので、一応1リットル瓶を2つ用意していました。
そして一人、少し緊張しながらコックをひねり、、、
おー!いぇーーーい!
ちょろちょろ出てくるー!
ハンドフィルだぞ!ハンドフィル!!
とかテンションあがってると、、、
なんか、よく分かりませんが早々に終わりました。
多分600ccくらいしかありません。
結局樽から出てきたのは写真右のボトル分のみ。
いや、確かに樽を持った時に軽いなと思ったけど。
ちょくちょく飲んだりもしたけど。
それにしてもエンジェルさんの取り分多すぎませんかね。。。
最初に入れた時にも書きましたが、リットル瓶が丸々2本入って、さらに途中で追加もしたので、ざっと合計2.5リットルくらいは投入したはずです。
それがたった0.6リットルになろうとは。
悲しいですが、これはこれとして勉強になりました。
いったん消毒
樽を空にしたら中の洗浄と消毒を兼ねて熱湯を投入しました。
(ウイルスを除菌!これすげーパワーワードですよね)
するととてつもなくいい香りが!
いい香りにやられてフワフワしながら電気ケトルで追加のお湯を沸かしていると、なにやらリビングから轟音が、、、
空気清浄機が臭い判定したようで、手前の「静音」が虚しく点灯していますが、きれいモニターとやらが真っ赤になり、轟音を上げながら一生懸命稼働しています。
さすが目の付け所がシャープでございますね。
このあとキッチンの換気扇を稼働させたりで落ち着きました。
さて、たっぷり熱湯を入れて放置してある程度温度が落ち着いてきたら中のお湯を捨てました。
そして改めて熱湯を投入し、樽をアチアチにして温度が下がる前に中身を捨てました。
そうすることでその後放置しておけばアチアチの樽が勝手に乾いてくれます。
ビチョビチョのアソコ
ダボ穴がアレなこと、覚えていますか?
今回熱湯攻めをしている時に、ふとひらめいてあっついお湯をブッかけてみました。
なんか薄くなったような気がします。
EQが高い私には分かるのですが、この樽野郎はもっと熱湯攻めしてを欲しているような気がしたので、さらにぶっかけました。
「綺麗になってきたねー(ニチャァ)」とか思いながら熱湯を浴びせ続けます。
そして、EQが高いだけでなく樽野郎をどう扱えばいいかも手に取るように分かる私は、ザラッザラのスコッチブライトでコスってあげました。
こうして熱湯攻めを中心にイジめ抜いた結果、ダボ穴は当初の純白さを取り戻したのでした。
第3弾投入
さてそんなこんなで樽の準備が整いました。
なんかこれは写真を撮らないといけない気がするぺりぺり写真。
早速注いでいきます。
ちっちゃいようで結構たくさん入るんですよね。
トクトク音が嫌いな人はいない pic.twitter.com/5eFMUkoPti
— おんたこ (@Ontaco1) 2021年1月23日
このトクトク音は開封したてだけ味わえる至福の音ですね。
第2弾でダボ穴があんなことになってしまった理由として、液面が高すぎた可能性が考えられました。
なので、今回は少し自重することにしました。
2本目は300ccくらい残して投入完了です。
こうしてみると、左のマイ樽1年熟成のファークラス105の色がすさまじいですね。
これの味がどんなもんか、についてはまた別で書こうと思います。
何しろこの日はキン〇マについて考えるのに疲れてしまったので。。。
今回もしょうもない記事を長々と読んでくださりありがとうございました。
僕たちはキンタマを平均1つ持っている
キンタマはいくつ?
統計って聞いたことありますか?
そうそう、「平均で言えば、世界中の人々はみんな1つのキンタマを持っている」というあれです。
嘘つき!事故や自らの意思でキンタマを失った人が一定数いるはずだから平均では1つ以下のキンタマしか持っていないはずだ!
という指摘が聞こえてきますがそれは本筋ではなくウラ筋の話なので置いておきます。
ちなみに今日はキンタマの話しかしないので、ウイスキーのマイ樽熟成は関係ありません。さーせん。
キンタマ統計学よりウイスキーのマイ樽熟成に興味がある方はこちらを参照ください。
まあなんというか、平均年収とかの話で目にする議論で分かりやすいのは平均値と中央値の違いなんかはそのキンタマ話と同じです。微妙に違うけどまあ裏スj・・・
平均値と中央値の他にも、母集団に対するサンプルデータ数の不足、グラフにおける対数表現や3Dグラフでの錯視の利用などで生じる誤解を招く表現など、データの扱いにおける問題は多々あります。
今日はその中でも”バラつき”について書きたいと思います。
マジでどうでもいいけど今日家で物事のバラつきについて考えていて、サンプルデータ数の大切さについて暇つぶしに実験した結果を書いていこうと思います。
あなたのキンタマの大きさは?
まず宇宙の真理として、物事にはバラつきがあります。
嘘つき!男はキンタマ2つじゃん!2.5個持った男なんて出会ったことない!
という指摘が聞こえてきますが、いい加減キンタマ数の話から離れなさい。
では、キンタマの大きさはどうでしょう?
(またキンタマの話してる・・・)
あなたの左右のキンタマの大きさは正確に同じですか?
隣のあの人のキンタマの大きさと同じですか?
あなたのキンタマは地域で何番目に大きいですか?
私は隣の人のキンタマは見たことがありませんが、自分の立ち位置は分かります。
どちらかというと少し小さいほうだと思います。
この研究からも私のキンタマが小さいことは明らかです。
つまり言いたかったのは
1. すべての物事にはバラつきがある
2. キンタマの大きさにはバラつきがある
3. よってすべての物事はキンタマである
と言うことです。違いますか?違います。
なんの話だったか分からなくなりましたが、要はすべての物事にはその事象に特有のバラつきがある。ということです。
データの取り扱いにおいてこのことは非常に大きな意味を持ちます。
キンタマのサイズに関する空想
例えば練馬区と足立区に住む男性を適当に5人ずつ捕まえてキンタマのサイズを計測したとします。
すると各区で10くらいのデータが得られてその結果が以下のようだったとします。
・練馬区:最小値3cm、最大値5cm
・足立区:最小値2cm、最大値4cm
さて、練馬区民と足立区民のどちらがキンタマが大きいと言えるでしょうか?
これを見て「練馬区の方がキンタマが大きい!」という人が大半かもしれません。
足立区の6人目のキンタマが10cmある可能性はゼロではないはずです。
キンタマの大きさを論じるなら651人分のデータは必要でしょ?
(田坂他、1986、日本人正常精巣の重量及びサイズについての検討 第1報https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol1928/77/9/77_9_1506/_pdf)
まあ651人までは必要ないかもしれませんがここで言いたかったのは、「ある事象についてデータを扱う時そのサンプルデータ数が少なければ、物事を正しく捉えることができない可能性が高い。」ということです。
キンタマとは関係ない実験
データの準備
さて、やっと暇つぶし実験の中身に入りたいと思います。
この実験で示したいのはサンプルデータ数の重要さです。
つまり5人のキンタマを調べてもダメで、651人のキンタマを調べないとダメでしょ!という話です。
サンプルデータ数の重要さを示すために、ある高さから紙にボールペンを落としてある点に落下することを狙うとき、上下にどれだけずれるか、を検証してみました。
まず、ノートとボールペンを用意します。
行に数字を書いて、ターゲットである0からの距離を定義します。
次に、ある一定の高さからボールペンを落としまくります。
もちろん狙うは中心の0の帯です。
暇なので100回繰り返しながらその数字を記録していきます。
最終的にはこうなります。
ペンが落ちた跡は点なので、斜線を引いてカウント済みであることを識別しています。
このデータを使っていいかの確認
まずは分布が良い感じなのかを見てみましょう。
これを度数分布表(ヒストグラム)で見てみると、0を中心として良い感じの山型であることが分かります。
このヒストグラムは青い棒が右に長いほど、その位置にペンが落ちた回数が多いこと(つまり確率が高いこと)を示しています。
この山がプラスかマイナスに偏っていたり、ピークが2つあったりすると、データとしては非常に扱いが難しくなります。
例えば山が上か下に偏っている場合、ペンを落とすときにクセがあったり、ずれた位置を狙っていたりすることになります。
ピークが2つある場合は、ペンの狙いの正確さ以外にデータに影響する条件が存在することになります。例えば右手で落とす場合と左手で落とす場合が混在していたりとかが考えられます。
ヒストグラムで見ることによってそのデータ群が検証に使えるものかどうかをある程度判断できます。
データを扱う上で上記のような分布を確認する重要性は理解いただけると思います。
バラつきとは
例えば、私が更に暇でペンを延々と落としてデータを取り続けたらどうなるでしょうか。
先ほどのヒストグラムは理論上は下の図に黒の曲線で示したような分布になるとされています。
このような平均値を中心とした上下対象で滑らかな山型を正規分布と呼びます。
正規分布の性質においては図の”σ (シグマ)”という数字が重要になります。
なぜならこのσはそのデータ群の固有の数字として計算され、分布は平均を中心として±σの範囲にデータが68%くらい、±2σの範囲にデータが95%くらい、±3σの範囲にデータがほぼ100%存在するということを示しているからです。
このσの値が大きければその分布はより広い裾野を持った、つまりバラつきが大きいということになります。
従って、あるデータ群についてσの値を求めることでバラつきを評価することができます。
ググればわかるので、ここではσの求め方は省略します。
最小のキンタマと最大のキンタマ
さて、キンタマの話に戻りましょう。(よっ!待ってました!)
先ほど練馬区と足立区のキンタマの例えで示したように最大値と最小値を見るというのはありがちなデータの扱い方の間違いです。(理由はこれから説明します)
最小値と最大値で評価するというのは今回の紙にペンを落とす検証に当てはめると下図のΔmaxを評価することになります。
今回の実験の結果
前置きが長くなりましたが、改めてポイントを整理しましょう。
・サンプルデータ数が十分に多いことが重要であることを示したい。
・ほぼ100%のデータ存在範囲を示す±3σの値を用いて評価することが正しいとされている。
・取得したデータの最小値と最大値でバラつきを見ようとするのは間違いであることを示したい。
さて、以上を踏まえて今回のデータを見ていきましょう。
ある回数ペンを落とした時に、それまで取得した全データを用いて以下2つの値を計算します。
・Δmax:最小値と最大値の差
・±3σ:統計的に確からしいとされている値
それを横軸をペンを落とした回数、縦軸を計算した値として示すと下図のようになります。
グレーとオレンジの点は最終的に12くらいに収束しているように見えますね。
つまりデータはほぼ幅12=±6に収まることを表しています。
前に示したヒストグラムを見てもその通りの分布になっていることが分かります。
±3σに着目してみると10回くらいペンを落とせば値は10くらいを示しており、そのあとは緩やかに12に近づいていきます。
つまり、±3σの値を事象の評価に用いれば、データ取得回数が少なくてもある程度の精度でそのバラつきを評価できていることになります。
一方Δmaxを見てみると10回のときはまだ5くらいで、±3σの半分くらいしかありません。
つまり、本来は12程度のバラつきを持っている事象なのにデータ取得数が10回程度の場合は5程度のバラつきであると過小評価してしまっているのです。
その後Δmaxは少しずつ増えていき、80回目くらいでようやくバラつき10くらいという数字に到達しました。
したがって、今回の実験では同じ精度で事象を見ようとすると、±3σでは10個のデータがあれば十分で、Δmaxでは80個のデータを取得しないといけない、と言えます。
・・・
以上から、ある事象を評価するときはデータ数が適切な(今回は100回)は、Δmaxを見ても、±σを見てもある程度正しい評価ができるかもしれないと言えます。
データ数が少ない時(今回は10回)については、Δmaxを見ていては過小評価となり、±3σを見ることである程度高い確度で正しい評価になりそうと言えます。
ここまで言及していませんが、データ数が極端に多い時はΔmaxは過大評価になってしまうのでその点にも注意が必要です。
本日のまとめ
・世界中の人が持つキンタマの数は平均すると1つより少し少ないくらい。
・不確実なデータを扱う場合、統計的な概念を理解していないと間違った解釈をしてしまうことがある。
・逆に、統計的知識が無いとこの不確実性が高い世界ではデータを巧みに使う詐欺師に騙されることになる。
みんな、ちゃんと勉強しような!
プライベートボトル
最近プライベートボトルのリリースが続いている。
あの有名な酒屋さんがあの蒸留所の樽を買い付けてPB出すらしい!リツイート!!
しかもエチケット(ラベル)デザインも素晴らしい!いいね!!
シングルカスクだから限定x本!なんとしても欲しい!!
発売開始時刻にPCのF5押下して即座に決済!
やった!注文受付メールが届いた!!
ウイスキーを愛する僕たちが何度となく繰り返す、もはやルーチンとなっている。
私がウイスキーと出会った20歳の頃、今では旧ボトルとなってしまったが当時のハイランドパーク12年が大好きだった。
家には常備していて、少しづつしか飲めない私が何本も空けたことを記憶している。
アルバイト代と奨学金が入ると当時節約のためにルームシェアしていた友人と連れ立ってバーに行った。
あの街のあのバーでは、あんな田舎には勿体ない程のボトルたちが壁を隙間なく埋めていた。
そこは閉鎖した蒸留所や旧ラベル、各種ボトラーズのボトルを体験できる夢のような空間だった。
ボトラーズやプライベートボトルはバーで飲むものだ、意図して意識していたわけではないが、そう思っていた。
当時お金が無かった私が足繁くバーに通っていたのは、なにもカッコつけだけでなく、色々なウイスキーを試してみるという体験を求めてのことだったと思う。
こうして思い出してみると、今はあの頃よりもバーを訪れる頻度は間違いなく減っていることに思い当たる。
ウイスキーについて取り立てて知識があるわけでも無く、オフィシャルですら飲んだことがない蒸留所なんていくらでもあるのに。
バーでしか出来ない体験の価値を知っているのに。
その理由はなんだろうか。
徒歩圏内に行きたいバーがない、新しい土地で落ち着ける行きつけを見つけるのは難しい、家庭を持ったから外に飲みに行くハードルが高くなった。
いろいろな理由はあると思う。どれも当てはまるのだが、使っている金額と飲む頻度と量はそこまで大きく変わってはいない。
ではなぜバーに行かなくなったのか。
一つ思い当たるのは、プライベートボトルやボトラーズのボトルを所有する数が増えたことだ。
リリースの数の増減は統計データが手元にないので判断出来ないが、Twitterなどでこれまでよりも情報が入ってくるようになり、ネット通販が発達して購入しやすくなったことで、そうなっていったように思う。
懐事情は人それぞれだが、富豪ではない、私のような、とある人が趣味に使えるお金は短い時間軸で見ればほぼ増減せず大したことがない額だろう。
すなわちウイスキーに使える金額は枠が決まっていると仮定すると、家で飲むボトルへの投資が増えればバーに落とすお金は減るのではないか。
コロナで自粛して外食しなくなった結果、スーパーや巣篭もり日用品の売り上げが増加したのと同じように。
ウイスキーに使えるお金を飲む量に置き換えても同じことが言える。(健康的に楽しむことができる量は限られている。)
つまり、枠は決まっているのだ。
プライベートボトルは、バーという業態のパイを奪ってはいないか。
バーでしか出来ない経験の機会を奪ってはいないか。
プライベートボトルを非難するわけでは無いことは理解して頂きたいが、マクロに見るとなんだか刹那的になってきてはいないか。
少し前に話題になったイチローズモルト 505は、コロナの影響からバーを救うだけでなく、この問題をすこしでも解決したいという狙いもあったのではないか。
バーで気に入ったボトルがあれば、それから購入して、口開けからその最後までゆっくり時間をかけて味わいたい。
その製造工程の殆どを樽の中でじっと静かに過ごすように、ウイスキーというものの時間はゆったりと流れていて欲しい。
ただの消費者である私の独り言として、もちろん昨今のウイスキー人気で市場全体が大きくなっていることは分かっているのだが、最近ふとこんな事を考えた。
それ以来、これからの自分とウイスキーとの付き合い方を考えているが、無い袖は振れないので、バランスを定期的に見返すしか答えはなさそうだ。
久しぶりに訪れたバーのカウンターで緩んだ表情の裏で、そんな事を考えていた。
三菱航空機のスペースジェットの報道についての独り言
今日はウイスキーに関係無いお話を独り言的に書いていきます。
ウイスキーのことは何も書かないので、そっちの人はそっ閉じでオナシャス。
わたくし、ウイスキー大好きなんですが、航空機にも興味がありましてね。
三菱航空機によって開発中の”国産航空機” スペースジェットについて気になる報道があったので思ったことをつらつら書いていきます。
0. そもそも旅客機開発って
飛行機の開発について、製造業に関わったことが無い方がなんとなく想像されるのは、設計してそれ通り作って、うまく飛んだら「やったー!販売開始!」って感じでしょうか。
しかし現実はそうではありません。
まず、販売して運航してもらうには型式証明(Type Certification、以下TC)、製造証明(Production Certification、以下PC)、耐空証明(Airworthiness Certification、以下AC)等々が必要です。
TCは、アメリカで言うとFAR(Federal Aviation Regulation)、日本で言うと航空法などで規定される航空機に対する安全性などの要求について、その航空機の設計が要求を満たしていることを証明するものです。
アメリカだとFAAが審査し、認められればその認定を受けることになります。
PCは、その航空機を製造する企業などが、その設計通りに製造できることを証明するものです。これも認定が必要です。
ACは、一機ごとに与えられるもので、その個体(航空機)が安全に飛行できることを証明するものです。これはTCとPCがベースになっていて、(以下略。ごめんなさい)。
今現在、スペースジェットはTCを取得するために試験を行っている段階にあります。
そのTC取得の難しさはなかなか理解できないと思いますが、とにかくめちゃめちゃハードルが高いと認識していただけたらと思います。
よくある例えとして、TC取得にはその航空機の重さと同じ重さの書類が必要だと言われています。
スペースジェットの最大離陸重量(MTOW)は42,800kgなのでA4サイズを4gとして何枚必要か考えてみましょう。
42,800x1,000/4=10,700,000枚
つまり、スペースジェットが安全な設計なんですよ!と証明するためには1070万ページの書類が必要ということになります。
想像できますか?
学生時代にほんの数枚のレポートを書くだけで徹夜したことがある方もいるのではないでしょうか。
その書類の中身、仮定ひとつ、計算ひとつが間違えていただけで、大勢の人命が失われる可能性があるため、とにかく時間と労力がかかります。
しかもこのFARが要求していることというのが曖昧で、どうやって設計の正しさを証明したらいいか非常に悩むことになります。
例えば、ある機能について「10であること」という要求があったとして、それの証明方法はなんでも良い。
つまり1+9でも良いし、5+5でも良い。なんなら12-2でも、2x5でも良い。
これをTCを発行する側に対して「うちはこういうデータをもとにこう考えるので、100÷10=10ってことにしようと思います」なんて宣言をして合意をもらう必要があり、その宣言である100÷10が本当に10になるんだということを試験やシミュレーションで示す必要があります。
ふわっとした説明になるのですが、そんな感じの書類をミスなく1070万ページ作ることは容易ではありません。
しかもこういうのって日本人には特に難しい。
我々が受けてきた教育は、公式、定理を与えられて、問題を解いていくというスタイルでした。
つまり先の例で言うと、200÷20=10という条件が与えられて、100÷10の答えはな~んだ?って感じの教育を受けてきたということです。
そんな我々にとって「それ本当に10になるの?」と言われても証明難しいじゃないですか。
まあそんな感じで、TC取得がそもそも難しいことに加えて、日本人にとってそれは更に難しいのです。
1. 現在までの報道の整理
さて、予備知識的なことはそこそこに、今回の報道について事実を整理していきます。
1.1.最初の報道
最初の記事はおそらく2020/10/22 夜の共同通信の記事でしょうか。
三菱重工業が国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発費や人員を大幅に削減し、事業を凍結する方向で最終調整していることが22日、複数の関係者への取材で分かった。
開発費と人員の削減=事業凍結 という文脈で報道されています。
この記事をシェアしたツイートが現時点で4000回以上リツイートされ、この後から各社が一斉に同じ文脈で報道して”開発凍結”という認識が広まったと思われます。
1.2. 三菱重工による発表
報道の過熱鎮静化を図るためか、開発を行う三菱航空機株式会社の親会社である三菱重工業株式会社(MHI)から翌日2020/10/23にプレスリリースが発表されました。
ちなみに正確には100%子会社ではなく、90%くらいがMHIでその次がトヨタ自動車だったりします。抜かりないですね。
様々な可能性を検討していることは事実ですが、開発の凍結を決定した事実はありません。
凍結は決定していないという旨の発表です。
MHIとしては憶測や報道が過熱するのを防ぐのが目的でしょう。2020/10/30に2Q決算と合わせて今後の事業計画を発表するから、まずは落ち着いてくれ、という形でしょう。
1.3. NHKによる報道
MHIによる発表との時系列は定かではありませんが、MHIによる発表と同日の2020/10/23にNHKが様々な情報を整理した冷静な報道をしています。
関係者によりますと、スペースジェットの開発を進めている三菱航空機の親会社の三菱重工業は、開発費を来年度以降、さらに削減する方針を固めました。
この記事ではMHIによる発表があってだと思いますが、”開発凍結”という文脈では報じられていません。
MHIの収益を明らかに圧迫している開発費を来年度以降からさらに削減するということが述べられています。
さて、ここで人によっては ”さらに” という表現に引っかかる人もいるかもしれません。
これについての背景としては、2020/6/15の三菱航空機からの発表を見ると理解できます。
現在の経済情勢並びに当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、(中略)、本年度は現在の設計を機体レベルで整理・確認することや3,900時間を超える飛行試験データーの検証を行っていく活動に注力して参ります。
つまり、今年度はそもそも認定取得に必要な飛行試験は実施せず、設計作業を改めて確認したり、過去の飛行試験のデータを分析するようなレビュー活動を行うという方針です。
2020年2月に6度目の納期延期を発表後、5月にはMHIが開発費半減を発表していましたので、6月のこの発表はそのブレイクダウンにあたります。
以上のように、今年度は既に開発費は半分になっておりそれに伴って認定取得のための試験は行われていなかったというところから、”さらに” 開発費を削減するという報道だったわけです。
2. 世間の反応
各種報道についてニュースサイトのコメント欄やSNSを中心とした世間の反応を振り返ってみましょう。
2.1 技術力はあるのになぜ~系の反応
「世界最強のゼロ戦を作ったじゃないか」
→時代は令和ですよ。軍用機ではなく民間旅客機ですよ。
「日本の町工場の製造技術は世界一高いのに」
→製造技術と生産技術、設計技術、認定取得技術の違いを考えてみましょう。
「MHIの人たちは優秀なのに」
→その通りですが、航空機は設計すればOKではない。
これ系の反応は航空機の開発や製造業系の研究開発について明るくない方々、つまり世間の大部分の人によるものでしょう。
技術力という言葉を好んで使う人は、まあ、技術畑ではないかアレがアレなことが多いので、あまりこの言葉は使わないほうがいいと思います。
多少かじった人であれば、こういったコメントを見て苦い思いを抱くかもしれませんね。
2.2. ホンダジェットはできたのに~系の反応
これも技術力云々の話と少し似ていますね。
まず、ホンダジェットはどこの国の商品でしょうか?アメリカです。
MRJに関する報道でよく言われるような”国産ジェット機”ではないのです。
ホンダジェットの型式証明を取得したのはアメリカにあるHonda Aircraft Company Inc という会社で、社長の藤野さんはメガネが特徴的で有名ですね。
もちろんホンダジェットのアイデンティティであるエンジン配置やフェラガモの靴から着想を得た胴体形状などは藤野さんのアイディアですが、開発にあたっての設計作業と認定試験はすべてアメリカFAAのもとで行われました。
FAAはB737Maxの件などでその体質に疑義が出てきていますが、Boeing機種を中心としたこれまでの経験は確かです。
ホンダジェットのターゲットとする市場はアメリカで、そこにはFAAがいる。
藤野社長のインタビューなどを見ると拠点をどこに置くかから始まり、従業員も部品サプライヤも能力やビジネスを最優先にして採用を決めていていることがうかがえます。
そうやってシビアに判断するとアメリカ産の機体にするのがベストなはずです。
Youtubeでフライトテストの動画などを見ると従業員のうち日本人はほとんどおらず大部分は現地の方々で構成されているのも分かります。
国を背負った「三菱は国家なり」のスペースジェットとは決定的に違うところですね。
スペースジェットは国の支援もかなり入っていて、経験が無い日本の国土交通省航空局(JCAB)を育てるという目論見もあってJCABが中心となって審査を進めています。
初めて審査する人(JCAB)と初めて審査される人(MHI)、そんなにスムーズにいかないのは当然でしょう。
また、パイロット含めて7人乗りのホンダジェットと乗客90人乗りのスペースジェットでは機体サイズに起因する違いのみならず、使われ方(飛行距離、時間、頻度)による違いも大きな壁になっているでしょう。
これも航空業界を少しかじった人であれば苦虫を嚙みつぶしたような表情になってしまうことでしょう。
2.3. 初めから無理だった系
これまでのような背景を理解している方であれば、ドライに考えればこの結論にたどり着くでしょう。
しかし、スペースジェットも最近はBoeing、Airbus、Bombardier、Embraerなどの機体メーカーで経験のある人を国籍に関わらず積極的に採用して今やほぼ”ガイジンプロジェクト”になっていたようです。
これも遅きに失したというかやり方が中途半端だったという感が否めません。
鎖国的な日本の会社に外国人が突然なだれ込んでくる様子は、さながら黒船襲来のように拒否反応を示す人が多いことは容易に想像できます。
結局は日本人vsガイジンの対立があったり組織面の問題に発展したようで、うまくいかなかった一因ではないでしょうか。
私もこのあたりの感想を持ちました。
2.4. 市場の反応
実はこれが一番面白いと思っています。
この報道が出てMHIの株価上がったんですよね。
10/22の終値2,224円が、報道が出た翌日の10/23終値は2,370円(+146円,+6.56%)となりました。
株主から見て、収益の観点から足を引っ張っているのは明らかでしたからね。
3. スペースジェットの今後
報道のミスリード、大衆と業界の認識の違いについてどうでもいいことを述べてきました。
一部ではこれで終わりだという文脈で語られていますが、10/30のMHIによる発表は違うものになるのではないかと思います。
現在すでに活動が停滞しているのは間違いありませんが、ここで終わりではないはずです。
なぜなら、この国プロ()にとってTC取得という大きなマイルストーンが至上命題だからです。
かつて世界を席巻した自動車を中心とした日本のモノづくり。
しかし自動車は電動化やモジュール化によって今や誰でもつくれるモノとなり、ハードウェア自体は家電などがこれまで経験したような価格競争に入るでしょう。
まさに破壊的イノベーションに直面しているわけです。
テスラのパネルのチリがあっていないから技術力が無い、などと言っている人はどうぞ、パネルのチリを合わせる仕事をしていてください。
すり合わせ型のモノづくりで強みを持つと言われてきた日本は、今後自動車産業で外貨を稼げなくなれば国内の雇用を維持できなくなるでしょう。
そんな日本と、国家たる三菱重工が国策として究極のすり合わせ型である旅客機開発を目指したのは理解できます。
こういう背景を考えると、今後について三菱重工または国が何かの判断をするにあたっては、開発費が1兆円になろうが1.5兆円になろうがTCを取得すること、その経験をすることに重きが置かれるのではないかと考えています。
日本を拠点として、日本の会社が日本のJCABから認定を取るというスキームを目指した時点で、初めからビジネスとしての成立性は度外視していたとしか考えられませんから、(関係者の方怒らないでね)今後も税金が投入されるのではないでしょうか。
一度自前で認定を経験すれば、その次はもっとうまくやれる、それを繰り返していけば製品ライフサイクルが長い航空機産業においてプレゼンスを高めていけるというストーリーを信じている限り、開発中止とはならないでしょう。
というか私の想いとしては、なんとかこの開発を完遂して欲しいと願っています。
だってあのすらっとした機体は美しいと思いませんか?
それに現場のエンジニア達はほんとに優秀で一生懸命に働いているはずです。
例えビジネスとしては失敗に終わっても、そんな美しい機体と現場の頑張りがTC取得という形で報われることを願っています。
そして、TC取得までたどり着けた後には、ここまでの失敗が美談として語られることがないことを願っています。
航空機好きとしては、こんなごちゃごちゃしたことは書きたくはなかったですが、個人の見解として独り言を書き留めることにしました。
マイ樽でウイスキーがマズくなってしまったら
今日もマイ樽の中でマズくなっていくウイスキーを味見して後悔しているマイ樽熟成家の皆さんこんばんは。
巷ではニッカ セッ〇〇が話題ですが、私はそんな高級なものに興味無いね。
マイ樽に入れたウイスキー、マズくなりますよね。ね?え、私だけ?
奇跡的においしくなるんじゃないかと夢を見てマイ樽(ミニ樽)を購入したことのある方なら思い当たる方は多いのではないでしょうか。
これまで何度か味について言及している通り、マイ樽にウイスキーを入れておくと、とにかく樽の、と言うか木材由来の収斂味がエグいほどに強くなっていきます。
そこで今日はマイ樽に入れたウイスキーがマズくなってしまったらどうするか考えていきたいと思います。
1. 放置する
臭いものには蓋を、マズいウイスキーにはダボを。
あまり知られていませんが、古から伝わるそんな諺が有るとか無いとか。
私は基本的なスタンスはこれでいいと思っています。
というのも、やっぱり樽材のアク抜きがかなり長期に渡って必要なのではないか、という立ち位置に基づいています。
購入直後のアク抜きについては過去にこちらで書いていますが、ホワイトリカーが7週間で劇的な変化を遂げました。
しかしよく考えてみると、ホワイトリカーのアルコール度数は35度程度であり、マイ樽に入れるウイスキーのそれと比べると明らかに低く、樽の成分を溶かし出す溶剤としての作用はあまり期待できません。
現在私のマイ樽に入っているグレンファークラスなんて105プルーフですよ。
度数で考えても2倍近く強い作用で樽の成分を溶かし出すわけで、そりゃあホワイトリカーでのアク抜きなんてほとんど無意味に近いのかもしれません。
度数が高いお酒を年単位で入れて気長にアク抜きするのはひとつの手だと思うのです。
つまらないブログ記事に引っかかった時よろしくマイ樽もそっ閉じしましょう。
2. 人に飲んでもらう
家にお客さんが来て一緒に飲むことがあるじゃないですか。
マイ樽をお持ちの方であれば、マイ樽の存在はきっと話のネタの一つになるでしょう。
「マイ樽かぁ、、、おいしくなるの?」
そうくればこっちのもんです。
ガッツリ注いで飲ませちゃいましょう。
これを繰り返せばそこそこ樽の中身も減りますが、一緒に友達も少なくなりますので注意が必要です。
3. 徳を積むために自分で飲む
仏教には功徳を積むという考え方があります。
現世で善い行いをすることで 来世で強くてニューゲーム!というあれです。
まあそんな下心がある行いでは徳を積むことができず、陰徳つまり人の目につかないところでも自然と善い行いができるようにならなければならないという教義なのですが。
徳を積みまくった究極は来世が無い(=生まれ変わらない)という解脱という概念になります。
何を言っているかというと、マズくなったウイスキーを人知れず舐め舐めして減らしていくことは、間違いなく陰徳を積む行為にあたるわけですよ。ねえ和尚さん。
自分でマズいウイスキーというマイナスのモノを生み出しておいて、さも苦行かのように一生懸命ゼロに近づけることで徳が積めるとは。
これで来世はイージーモードなので安心して現世から脱出できますね。
ただし、徳を積むためとは言え、お酒をハイペースで飲みすぎると、予定より早くこの現世にセイグッバイ、ハードモードの来世にセイハローする可能性が高くなるので気をつけましょう。
4. コークハイにして飲む ←今日のポイント!
マズくなったウイスキーを前にして、来世とかどうでもいいからマジでここにあるマズいウイスキーを減らしたい。それが我々マイ樽熟成失敗家のマインドだと思います。
いかに消費するか考えた時、ハイボールまたはコークハイという選択肢があります。
ハイボールにしたことが私にもありました。
でもそれは間違っていました。
生木に含ませた水をすするようなあの感覚は、正直飲めたものではありませんでした。
ではどうするか、そうコークハイだね!
先日コークハイについて熱い思いを書かせていただきましたが、私最近はコークハイにハマっています。
んで、コーラのケミカル感がマイ樽ウイスキーのシワシワと合わさるとどうなるのか、と思ってやってみました。
これ、めっちゃイケるんですよ!
本当に飲める。というよりケミカルさを全体的に樽感がうまくマスクしていてむしろ優しく飲めるようになっていました。
でもやっぱり優しすぎず、しっかりとしたパンチ力があっておいしい。
マイ樽熟成で失敗したウイスキーをお持ちの方にはこれを是非おすすめしたい!
なんなら買って失敗したウイスキーあるじゃないですか?それもハイボールばかりではなくてコークハイにしてみてもいいかもしれませんよ。
ウイスキーコークのすすめ
コークハイって知ってます?
コーク(コ〇イン)でハイになるってことじゃないですよ?ダメ、ゼッタイ。
英語ではWhisky and Cokeってそのまんま言うあれです。
昨日はラムコークについて書きましたが、今日は最近ドはまりしているウイスキーコークの楽しみ方をお伝えしようと思います。
槍ヶ岳 × ウイスキーコーク
いきなり何言ってんだって感じだと思いますが、まあ要はアウトドアでウイスキーコークするのいいですよってことです。
槍ヶ岳ってのは長野と岐阜の県境にある飛騨山脈の結構高い山で、先が尖がってます(適当)。
アルプスの他の山頂などから見た時に一目で分かるその姿は印象的で、思わず探してしまう山です。
日本でトレッキングをする方にとっては馴染み深い山ですね。
先日、私は結構遠回りして槍ヶ岳に登りました。
その時のルートがこちら 。
横軸を距離、縦軸を高度にするとこんな感じです。
お察しいただけると思いますが、まあまあ長いです。
この時はテントを担いで行きまして、途中で2泊しました。
食事も担いで行ったので、「なにかお楽しみを用意しなければ!」と思ったわけです。
そこで思いついたのが「ウイスキーコークやればいいじゃん」でした。
テントを張るのは山小屋が管理するテント場なので、山小屋に行けばジュースなんかは買うことができます。
下界から高度3000mまでヘリで空輸されてきたコーラは、ウイスキー転売ヤーもびっくりのプレ値になりますが、これは納得できるのでお金を出して購入します。
テントから出ればこんな景色が広がる山で、疲れた体に山崎の香りとウイスキーのケミカルな甘みが染み渡る至福の時です。
山崎をコーラにぶっこむなんてもったいない!という声が聞こえてきそうですが、うるせぇ黙ってろ!俺の金だ!
食事については言えば、皆さんスタイルは違いますが食料はどうしても炭水化物中心になりがちなので、私は乾燥野菜を持っていくようにしています。
ウイスキーと違って乾燥野菜はあまり重さもないのでお勧めです。
甲武信ヶ岳 × ウイスキーコーク
また山かよ・・・わかります。
私も同じ気持ちです。一緒に最後まで頑張りましょう。
甲武信ヶ岳というのは奥秩父山脈の中央にある結構高い山で、山頂直下の甲武信小屋というところの徳(トク)さんという最高にイカれたおじさんが、登山道が危険だからと登りやすい登山道を新しく開拓してしまったという道がメインの登山道になります(適当)。
天邪鬼な私は違うルートから登りましたけどね。ガハハ。
これもテントとウイスキー担いで行くつもりで準備していました。
小屋についてテントを張っている時にふと気づいたのですが、
ウイスキー忘れた。。。
これじゃあなにをしに来たのか分かりません。
私「ヴ イ” ズ ギー あ”り”ま”ぜん”がぁ"ぁ"ぁ"あ”ッ?」
徳さん神「あるよ」
オーゴッド。
登山道を作るだけでは飽き足らず、私のようなものにウイスキーまで用意してくださるとは。
He will make a way, He will make a way, with love and strength for each new day, (God will make a way / Don Moen)
キリスト教の世界観は分かりませんが、この時の私の頭にはよくわからないホーリーな歌が響きました。
私にとって、徳さんイズゴッドでした。
サントリー レッドは初めてですが、とてもありがたく受け取りました。
夕飯は妻の希望によりチーズリゾットを作りました。
いろいろ工夫して実現しましたが、なかなかおいしくて、今後の登山の定番メニューになりそうです。
良く冷えたコーラも小屋で購入させていて、ウイスキーを慎重に注ぎます。
やっぱり運動後のウイスキーコークは最高ですね。
味について言えば、サントリーレッドは初めてでしたが飲みやすいなと感じました。
ストレートでも飲んでみましたが、クセがなくて甘みが中心となっていておいしいなと思いました。
後で調べてみると、アルコールのアタックがキツいというレビューが多いようですが、あまりそうは感じませんでした。
購入した時にはかなり埃を被っていたので、もしかすると山小屋で長期間置かれていて瓶熟のような効果があったのかもしれません。
サントリーレッドは低価格なウイスキーですが、縦走中の山小屋のような特殊な環境で飲む分には十分楽しめるというのはいい発見でした。
いずれにしても、小屋が用意してくれたありがたいウイスキーとコーラを楽しむことができて幸せな時間を過ごすことができました。
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昨日のラムコークしかり、コークハイはともすれば邪道な飲み方と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、山小屋のような特殊なシチュエーションでもウイスキーを楽しむ方法があるというは素晴らしいことですし、ウイスキーを作るメーカー、一般消費者まで届けてくれる酒屋、特別な時間を提供してくれるバーに加えて、トイレすら普段通りにいかない山の上においても楽しみを用意してくれる山小屋にも今後は感謝しながら楽しいウイスキーライフを送りたいと思います。