マイ樽熟成 〜樽のアク抜き経過(香り、味編)
昨日の記事ではマイ樽のアク抜き、特に色の変化について紹介しました。
色々余計なことを書いたので、ザクっとまとめると、
・マイ樽はウイスキーを投入する前にアク抜きをやったほうがいい
・そこでアク抜きをホワイトリカーでやってみた
・7週間アク抜きしてみたら、ホワイトリカーが美しい黄金色に変化した
・ジョニ黒は本当は2.5年熟成(ちがっ)
さて、今日の記事では味の変化について紹介したいと思います。
最終的にはホワイトリカーだったものはゴールデンリカー様となったのですが、その軌跡をたどる喜びを共有しましょう。
〇まずは樽に入れる前のホワイトリカーから。
<香り>
ザ・焼酎。
九州で学生時代を過ごした私にとって、この匂いを嗅げば、どこからともなく懐かしい一気飲みコールが聞こえてくる気がするのです。
「なーんで持ってんのッ!?
なーんで持ってんのッ!?
飲みたいーから持ってんのッ!?」
あぁ、今日も始まってしまった。そう思う暇もなく、私の順番だ。
無理に焼酎を流し込む私の喉元には、既に酸っぱい胃液の味が広がっている・・・
まぁ、つまり「焼酎 = 飲み会一気飲み = リバース」の図式がありましてあまり好きな匂いじゃないのです。
<味>
初めに弱い甘み(うぅ)。
ピリピリとした舌への刺激(うっ)。
薄くミントのニュアンス(うっぷ)。
焼酎のイメージに引っ張られすぎて、ちょっと限界なのでこのくらいで。
〇アク抜き1週間後。
<香り>
若干湿った木をしゃぶったような香り。焼酎以降は同じ(うっぷ)。
<味>
シブさがすさまじい。舌に刺激が強くて他に何も感じられないほど。
渋さがひどくて、まさにアク抜きの効果が確認できました。
〇アク抜き2週間後
<香り>
わずかにバニラのニュアンスが付与された気が。
焼酎臭さが奥に隠れて、代わりに溶剤の刺激がわずかに。イメージとしては噴霧したイソプロピルアルコールのような感じ。
<味>
香りと同じく、甘さもバニラ的な美味しさが拾えました。
渋さは後半に来るようになりました。
〇アク抜き3週間後
<香り> <味>ともにあまり変化が感じられませんでした。
〇アク抜き4週間後
<香り><味>
共にバニラが前面に出てきました。いい感じになってきた気がします。
〇アク抜き5週間後
<香り>
バニラ!
<味>
甘さが強くなり、ペッパーのようなニュアンスも。スパイスの刺激はアルコール系だったものが少し変化したような感じです。
〇アク抜き6週間後
<香り>
相変わらずバニラが健在。
<味>
バニラに甘さに少しフルーツ系のニュアンスが付与された感じ。
〇アク抜き7週間後のゴールデンリカー様
<香り>
バニラ、ドライレーズンのような甘さ。
時間が経つとミントのようなニュアンス。最後に少し溶剤。
<味>
粘度が低く舌触りは柔らかい。悪く言えば水っぽい。
バーボンのようなバニラの甘さ、わずかにバナナ。その後弱いスパイス。
余韻は短く消えていく。
正直言って飲めます。
お分かりの通り、7週間後のゴールデンリカー様は非常においしくなっています。
これまでの経過を視覚化してみると下図のようなイメージになります。
はじめのころの焼酎の甘さを表現できていないのはご愛嬌。
色々それらしいことを言いましたが、何しろ大した知識もない素人テイスティングなので検討違いもあるかもしれません。
ですが、このアク抜きテイスティングによって、いろいろ体験できたので非常に楽しかったです。
例えば、
・何となく樽から来るであろうバニラ感が育っていく様子
・そのあとからフルーツ感が追いかけてくる感じ
・アルコールの刺激がスパイシーさに変化していく様子?
などです。
もっと樽熟成について予備知識があれば、もっと正しくその変化を掴むことができたかもしれないのですが、まあ楽しかったからよしとします。
マイ樽は勉強にもなって、かつ楽しい!最高の大人の遊びですよこれは。
皆さんもマイ樽経験あればどんどんシェアしてください。
一緒に楽しみましょう。