ウイスキーを熟成してみるブログ

初心者がミニ樽でウイスキーを熟成してみるブログです。

マイ樽熟成第2弾 Glenfarclas105 ~4/4途中経過報告

先日はTwitter上で#TWLC#バーチャルウイスキー会に参加し、みなさんが飲んでいるウイスキーたちをつまみに、私も飲みすぎてしまいました。

今日は、先日唯一投稿したグレンファークラスのマイ樽熟成について途中経過を報告します。

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Glenfarclas 105のおさらい

イギリス初の女性首相で「鉄の女」と言われたマーガレット・サッチャーが愛したことで有名です。

当時のボトルと現行品では異なる点も多いのでしょうが、シェリー樽熟成で105プルーフというのは変わりません。

105プルーフというのは英国式のアルコール表記で、0.571をかけると我々のなじみが深い度数の表記になります。

 105 X 0.571 =59.955 ≒ 60度

ということでアルコール度数が60度という意味です。

 

グレンファークラス105にはもともとは8年熟成の表記があったようですが今では無くなっています。

かつては最短でも8年だったのでしょうが現在使用している原酒がより短熟ということになるのでしょう。

 

色は短熟とは思えない綺麗な濃いゴールドをしています。わずかに赤みがかっているようにも見えます。

 

香りはチョコレートやレーズン、リンゴといったシェリー樽熟成らしい要素をふんだんに感じられます。

さすが105プルーフとあってアルコールの刺激は強めですが、それ以上に重厚な香り。

口に含むと香り同様にレーズンやドライフルーツを主体とした甘みが中心で、60度とは思えない飲み口の良さを感じます。

余韻ではチョコレート系統の香りとわずかに硫黄香と度数由来のドライで刺激的な印象になります。

ピートはほとんど見つけることが難しいです。

このボトルが1リットル4,000円程度で買えるのだからコスパ最強と言われるのも納得です。

 

なぜグレンファークラス105を選んだか

さて、今回はこのグレンファークラス105をミニ樽に入れて熟成してみたいと思います。

マイ樽に入れるのに選んだ理由としては以下の点があります。

・アルコール度数が高いこと

・高価でなく入手性が良いこと

・しっかりとしたシェリー感があること

・ピート感が強くないこと

・原酒の強さがあり、ミニ樽に負けないという期待

 

これまでの経験上、ミニ樽で熟成させると揮発量が多くなるため、アルコール度数が下がり水っぽくなる印象があります。

そのため、なるべく度数が高いものを入れるべきでしょう。

また、一般的なスコッチウイスキーの樽熟成は63度くらいが最適とされているようで、度数が下がれば期待したような熟成はできないと考えられます。

度数が高く加水されておらず(カスクストレングス)、ハイプルーフのスコッチウイスキーといえば一般には入手性が悪く価格も高価になりがちです。

しかしこのグレンファークラス105はハイプルーフコスパ最高ですから、マイ樽熟成にはうってつけなのです。

 

シェリー感が欲しかった理由としては、このグレンファークラス105を少し長く熟成させた後のミニ樽にはわずかにシェリー樽熟成された原酒の影響が残るかも、と期待しているからです。

マイ樽は空の状態にしておくわけにはいかないため、グレンファークラスの次には当然また別のウイスキーを入れることになります。

マイ樽に移ったファークラスの特徴が、次に入れるウイスキーに良い作用をしてくれるといいな、と思っています。

ただし、樽による熟成とはウイスキーが樽からポジティブな要素をもらい、樽がネガティブな要素を受け取ってくれるという作用が大きな役割を果たします。

そう考えると、うまく熟成できた場合はグレンファークラス105のネガ要素が樽に残って、それが次のウイスキーへ移るようなことがあるかもしれませんね。

 

ピートが強くないことという条件は、これも次に入れるウイスキーへの影響を考慮してということになります。

個人的にピートは好きですが、このマイ樽熟成ではまだ強ピートの影響を受けないようにしたい考えています。

 

ミニ樽に負けないようにとは、これまで経験してきた樽しゃぶり系の要素(激しい収斂味)が表れるのは必至なので、それに負けない強い個性があるウイスキーである必要があると考えました。

 

以上のようにマイ樽にはグレンファークラス105が最高ではないか、と考えています。

場合によっては複数回同じウイスキーを入れるのもいいかな、と思っていたりします。

まあそれはおいおいですね。

 

熟成の途中経過は

 

2020/1/4

以前のフォアローゼスを樽から出しましてマイ樽熟成第1弾が終了しました。

その結果の記事はこちらです。

ontaco.hatenablog.com

 フォアローゼスを樽から出した後は、一度樽内を熱湯消毒して、グレンファークラス105を入れました。

驚いたのですが、1リットルのボトル2本がすべて入ってしまいました。

ここから熟成スタートです。

 

2020/2月頃

ちょくちょく味見をしながら熟成を見守ってきました。

最初の1カ月ほどが経った頃でしょうか、ふと樽のダボ穴が濡れていることに気が付きました。

これについては結局いまだに放置しているのですが、そろそろ手を打たないといけないかなと思っています。

自分でダボ作ろうかな。。

ontaco.hatenablog.com

 

 

2020/3/5

2ヶ月が経過したのできちんと味を見てみました。

 

香り

注いだ瞬間は、ダークチョコレートの濃厚な香りだがすぐに飛んで樽しゃぶり系に変化する。もっと時間が経つと黒糖の甘い香りに変化していく。

 

濃いデーツのような甘さ、チョコレート、プラムが主体で厚みがあるのだが、樽感が強いのは否めない。木材の収斂味に舌の水分を奪われる。良く言えば強めのスパイシーさ。粘度はかなり高い。

時間が経つと、信玄餅の黒蜜のようなザラつく舌触りのある甘さが出てくる。余韻は濃厚で長く、わずかに淡い硫黄香があるがネガティブな印象は無い。

 

正直美味いと思いました。

やっぱりファークラス105はマイ樽向けウイスキーだったか!

ここで出しても良いくらいかと思いましたが、そんなに頻繁に入れ替えしてたら資金がショートしてしまうので、もっと良い方向に転がってくれることを期待して続行。

 

2020/4/4

香り

強い存在感だった木材は影を潜め、よりチョコレート系の甘みがメインに。カカオ100%チョコ、ガトーショコラ。

 

硫黄香もいなくなり、これまでのチョコレート、黒蜜系の甘みが主体。これにわずかにバニラ感が加わっており、チャーした樽のいい影響が感じられました。

 

この時点でも、めちゃ美味いと感じました。

だが、予算の都合上やはりこのまま寝ていてもらうことに。

 

しかしここである問題に気づきました。

 

なんか樽、軽くね?

ダボ穴から中を覗いてみると液面が遠い気がします。

そこで、日本が誇るマイ樽液面チェック用チョップスティック(お箸)を突っ込んで見てみると、、

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先端が樽の底、親指がダボ穴に。中間付近までした濡れていない。

 

「半分しかないやん!これが天使の分け前か!」

 

樽熟成で蒸発などで自然に減るウイスキーを「天使の分け前」と言う。

マイ樽熟成で自然に飲んでいたのは私。

すなわち私=天使。Q.E.D.

 

という三段論法が成り立つわけですが、どうでもいいので詳細は割愛。

まあ、おいしかったから単純に飲みすぎたということでしょう。

あと、結構サンプル取ったりしてますからね。

 

 

このまま寝かせておくのは如何なものかと思いまして、色々悩んだのですが同じファークラス105を追加することにしました。

液面低下した状態ではより樽の影響が大きくなること、このままでは加速度的に蒸散量が大きくなると考えられること、ファークラス105でこれまで熟成がうまくいっていることなどを鑑みて決定しました。

これはある種、シェリー酒で用いられるソレラシステムなわけで、永遠にこのまま熟成させてもいいのではないかと思ったりもしています。

手持ちのグレンファークラス105を追加した後の液面チェッカーの写真はこちら。

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液面が十分高い

これでまた熟成再開です。

この後も定期的に味は見ていきますが、同じ轍を踏まないためにもサンプルを取る頻度は減らそうと思います。

これまでのサンプルの色を見ると結構いい感じに濃くなっていて、眺めるだけで楽しいのでサンプル取り大好きなのですが、ミニ樽の大きさを考えると自重する必要がありますね。

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マイ樽熟成サンプルを眺めるのは楽しい!

 

 

おわりに

 

外出自粛が要請されたり、サンプル取りの自重が必要だったりで何かとツライ昨今ですが、皆様におかれましては適量のウイスキーを楽しんでしっかり息抜きされていることと思います。

在宅勤務でアル中になっちまった!なんてことが無いように気を付けましょう。

今後も時々更新していきますので、よろしくお願いします。

皆さんのウイスキー実験の結果も是非シェアしてくださいね。